小俣和一郎『精神病院の起源 近代篇』 (ベスレム病院)

臨床医で精神医学史家の小俣和一郎による『精神病院の起源 近代篇』は日本および諸外国の精神病院史を論じたやや専門書的な書物です。 前回 同様ピンポイントでの指摘になりますが、歴史的に有名なイギリスのベスレム (ベドラム) 精神病院について述べた部分…

小俣和一郎『近代精神医学の成立』など (阿呆船は実在したか)

ある調べものをしていて、精神科医で精神医学史家の小俣和一郎による一連の著作に行き当たったのですが、首をかしげてしまう記述が散見されるので少しずつ指摘しておきます。まず第一弾として「阿呆船」を巡る記述について。この問題の元凶はおそらくミシェ…

酒井邦嘉『脳の言語地図』

東大准教授による脳科学の啓蒙書。第2章「脳を知る」の導入部、脳科学の歴史を語っている部分のわずか2パラグラフにいろいろ気になる点がありました。 ーー人間はいつごろから脳というものを意識し始めたのでしょうか。ギリシャ時代に、ヴェサリウスという人…